コールセンターの開設ガイド │ 7つの手順と費用の目安を解説

顧客からの問い合わせ増加は事業成長の証ですが、対応が追いつかなくなると顧客満足度の低下や機会損失に直結しかねません。
本記事では、コールセンター開設を検討している担当者の方へ向けて、開設までの具体的な手順や費用、成功のポイントを解説します。
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資料をダウンロード【手順1】コールセンターの基本方針を固める
コールセンターの成功は、準備段階で8割決まると言っても過言ではありません。まずはプロジェクトの根幹となる基本方針を明確にしましょう。ここでは、基本方針を固める上で必ずチェックしておきたい3つのポイントを紹介します。
目的とゴールを明確にする
最初に、「なぜコールセンターを設立するのか」という目的を具体的に定義しましょう。「顧客満足度の向上」「売上拡大」「業務効率化」など、目的が明確になることで、必要な機能や規模、追うべきKPI(重要業績評価指標)が定まります。
最終的なゴールを数値で明確に設定すれば、関係者全員が同じ方向を向いてプロジェクトを進められます。
インハウスかアウトソーシングか決める
コールセンターの運営形態は、自社で直接運営する「インハウス(内製化)」と、外部の専門企業へ委託する「アウトソーシング」の2つに大別されます。それぞれにメリット・デメリットがあるため、自社の状況に合わせて慎重に選択しましょう。
比較項目 | インハウス(内製化) | アウトソーシング |
---|---|---|
コスト構造 | 高い初期投資(固定費) | 低い初期投資(変動費) |
管理・品質 | ◎ 直接管理でき、品質をコントロールしやすい | △ 間接管理となり、品質維持に工夫が必要 |
ノウハウ | ◎ 社内に顧客の声(VOC)や応対ノウハウが蓄積される | × 蓄積されにくい |
立ち上げ速度 | △ 時間がかかる | ◎ 迅速に開始できる |
セキュリティ | ◎ 内部で管理できるため、情報漏洩リスクが低い | △ 第三者リスクが発生 |
KGI・KPIを設定する
目的を達成できたか客観的に判断するために、KGI(重要目標達成指標)とKPI(重要業績評価指標)を設定します。
- KGI (Key Goal Indicator): プロジェクトの最終目標を測定する指標です。(例: 顧客満足度を10%向上させる)
- KPI (Key Performance Indicator): KGI達成に向けた中間指標を指します。(例: 応答率95%、平均処理時間5分以内)
これらの指標を定期的に観測することで、コールセンターが順調に機能しているか判断し、問題があれば早期に改善策を打てます。
【手順2】業務プロセスの全体像を設計する
基本方針が固まったら、次に対応する業務の具体的な内容と、その流れ(プロセス)を設計します。ここでは、業務プロセス設計における3つの重要ポイントを解説します。
対応業務の範囲(スコープ)を決める
まず、「問い合わせ対応」「テクニカルサポート」「受注業務」「アウトバウンドセールス」など、コールセンターで請け負う業務の範囲を具体的に洗い出しましょう。
すべての業務を一度に開始するのではなく、優先順位をつけ、段階的に範囲を広げていくアプローチも有効です。
KPI設計と効果測定の準備
手順1で設定したKPIを、どのように測定するか具体的に決めます。例えば、「応答率」を測るには、総着信数と応答数をカウントできるシステムが必要です。
開設後にスムーズにデータを取得できるよう、必要なツールの準備もこの段 階で進めておきましょう。
顧客対応フローを構築する
顧客からの電話を受けてから、最終的に解決するまでの一連の流れを可視化します。担当者だけで解決できない場合に、誰にどのように引き継ぐかという「エスカレーションルール」も明確に定めておきましょう。
しっかりとした対応フローを構築すれば、オペレーターは迷うことなくスムーズに対応でき、属人化の防止にも繋がります。
【手順3】必要なシステムを選定・導入する
電話やコンピューターなどのシステムは、コールセンターの業務効率と品質を支える重要な基盤です。ここでは、コールセンターの心臓部となる3つの主要システムと、その選び方について解説します。
PBX・CTI・CRMの役割と選び方
コールセンターには、一般的に以下の3つのコアシステムが欠かせません。
- PBX (電話交換機): 多数の電話回線を集約・管理し、内線同士の通話や外線の振り分けを行うシステムです。
- CTI (Computer Telephony Integration): 電話とコンピューターを連携させるシステム。着信時に顧客情報をPC画面に表示する(ポップアップ)機能が代表的です。
- CRM (顧客関係管理): 顧客情報や過去の対応履歴を一元管理するシステムです。
これらのシステムが連携することで、よりスムーズで質の高い顧客対応が実現します。
スモールスタートと将来の拡張性
コールセンター開設当初は小規模でスタートし、事 業の成長に合わせて規模を拡大していくケースも少なくありません。
そのため、システムを選定する際には、将来的にオペレーターの人数や拠点を追加する可能性を考慮し、柔軟に拡張できる「スケーラビリティ」の高いシステムを選ぶことが重要です。
クラウド型とオンプレミス型の比較
PBXなどのシステムには、自社内にサーバーを設置する「オンプレミス型」と、インターネット経由でサービスを利用する「クラウド型」があります。近年では、初期費用を抑えられ、拡張性も高いクラウド型が主流です。
比較項目 | クラウド型 | オンプレミス型 |
---|---|---|
初期費用 | 低い(0円〜) | 高い(数百万円〜) |
導入期間 | 短い(数日〜) | 長い(数週間〜) |
拡張性 | ◎ 容易 | △ 機器の追加・工事が必要 |
運用・保守 | 不要(ベンダーが対応) | 必要(自社で対応) |
カスタマイズ性 | △ 限定的 | ◎ 高い |
【手順4】ファシリティ(設備・環境)を準備する
システムと並行して、オペレーターが働く物理的な環境(ファシリティ)の準備も進める必要があります。快適で集中できる環境は、オペレーターの生産性や定着率に直結するためです。
設置場所とレイアウトのポイント
コールセンターを設置する場所は、セキュリティが確保できる静かな環境が理想的です。顧客の個人情報を取り扱うため、部外者が立ち入れないよう入退室管理を徹底しましょう。
また、オペレーターがストレスなく働けるよう、デスクの配置やリフレッシュスペースの確保にも配慮が求められます。
必要な機材を揃える
業務に必要な物理的な機材をリストアップし、調達します。
- デスク、チェア
- PC、モニター
- ヘッドセット
- ネットワーク機器(ルーター、LANケーブルなど)
特にヘッドセットは、通話品質やオペレーターの負担に大きく影響するため、ノイズキャンセリング機能付きなど、品質にこだわって選ぶことをお勧めします。
在宅コールセンターという選択肢
クラウド型のシステムを活用すれば、物理的なオフィスを持たない「在宅コールセンター」も構築できます。
採用対象が全国に広がるため優秀な人材を確保しやすく、オフィスコストを削減できるのがメリットです。一方で、セキュリティの確保や勤怠管理、研修方法などには工夫が求められます。
【手順5】組織体制を作り、人材を確保する
コールセンターを実際に動かすのは「人」です。質の高いコールセンターを構築するには、優秀な人材の確保と育成が不可欠です。ここでは、組織と人材に関する3つのポイントを解説します。
必要な人員(SV・オペレーター)とスキル要件
まず、管理者であるスーパーバイザー(SV)とオペレーターの採用計画を立てましょう。必要な人数を算出するとともに、それぞれの役割に必要なスキルや経験を定義し、採用基準を明確にします。
特にSVは、オペレーターの管理や育成、品質管理など、コールセンター運営の要となる重要なポジションです。
採用計画と研修プログラムの構築
採用スケジュールを立て、求人活動を開始します。同時に、採用した人材を育成するための研修プログラムを準備しましょう。
研修では、基本的なビジネスマナーや電話応対スキルはもちろん、製品知識やシステムの使い方など、業務に必要な知識を網羅的に教育する必要があります。
評価制度とキャリアパスを設計する
オペレーターのモチベーションを維持し、離職率を下げるには、公平な評価制度とキャリアパスの設計が重要です。
個々の頑張りを正当に評価し、SVや研修担当など、将来のキャリアが見えるようにすれば、オペレーターは安心して長く働き続けられます。
【手順6】運用ルールとマニュアルを作成する
応対品質を標準化し、誰でも一定レベル以上の対 応ができるようにするには、明確な運用ルールとマニュアルが欠かせません。
トークスクリプトの作成
基本的な応対の流れや、よくある質問への回答例などをまとめた台本(トークスクリプト)を作成します。
スクリプトを用意すれば、新人オペレーターでも安心して対応にあたることができ、応対品質のばらつきを防げます。
業務マニュアルの整備
システムの操作方法、トラブル発生時の対応手順、各種手続きの方法などを文書化した業務マニュアルを整備します。
マニュアルは一度作って終わりではなく、業務内容の変更や追加があった際に、都度更新していくことが重要です。
エスカレーションルールを明確にする
オペレーターだけでは判断が難しい問い合わせや、クレームなどの対応をSVや上長に引き継ぐ際の基準(エスカレーションルール)を明確に定めます。
ルールが明確であれば、オペレーターは迅速に判断でき、顧客を待たせることなくスムーズな対応が可能になります。
【手順7】テストと改善を行い、運用を開始する
全ての準備が整ったら、いよいよ運用開始です。しかし、いきなり本番稼働するのではなく、十分なテストとリハーサルを経て、万全の状態でスタートを切ることが成功の鍵となります。
運用テストとフィードバック
実際に電話を受けたり、システムを操作したりするテストを実施し、問題点や改善点を洗い出します。
業務プロセスに無理はないか、マニュアルは分かりやすいか、システムの動作に問題はないかなど、様々な角度からチェックし、本格稼働前に修正しておきましょう。
継続的なモニタリングと改善計画
運用開始後も、それで終わりではありません。KPIを定期的にチェックし、応対品質や業務プロセスに改善の余地がないか、常にモニタリングを続けます。
顧客の声やオペレーターからのフィードバックを元に、継続的に改善を繰り返していくことが、コールセンターの価値を高めることに繋がります。
トラブル発生時の対応計画を立てる
システム障害や大規模なクレーム、自然災害といった予期せぬトラブルが発生した場合の対応計画(BCP:事業継続計画)を立てておくことも重要です。
万が一の事態が発生した際に、どのように連携し、業務を復旧させるか事前に決めておくことで、被害を最小限に抑えられます。
コールセンター開設にかかる費用の内訳と相場
コールセンターを開設するには、どれくらいの費用がかかるのでしょうか。費用は大きく「初期費用」と、月々発生する「運用費用」に分けられます。ここでは、インハウス(内製)で構築する場合の一般的な費用相場を紹介します。
初期費用の内訳
- システム導入費: PBX、CTI、CRMなどのライセンス費用や設定費用。クラウド型かオンプレミス型かで大きく変動します。
- 設備費: PC、デスク、ヘッドセットなど の購入費用。
- 物件取得費: オフィスの敷金、礼金、内装工事費など。(在宅の場合は不要)
- 採用・研修費: 求人広告費、研修期間中の人件費など。
運用の月額費用の内訳
- 人件費: オペレーター、SVの給与。(最も大きな割合を占める)
- システム利用料: クラウドシステムの月額費用、保守費用。
- 通信費: 電話回線やインターネット回線の利用料。
- 賃料・光熱費: オフィスの家賃や光熱費。
【規模別】費用シミュレーション
あくまで一般的な目安ですが、規模別の費用感は以下の通りです。ただし、導入するシステムのグレードやオフィスの立地、人材の採用難易度など、様々な要因で費用は大きく変動します。
規模 | 初期費用 | 運用費用(月額) |
---|---|---|
小規模(〜5席) | 30万円〜 | 50万円〜 |
中規模(10〜20席) | 100万円〜 | 150万円〜 |
大規模(50席〜) | 300万円〜 | 500万円〜 |
開設後に直面しがちな課題と対策
コールセンターは作って終わりではありません。開設後によくある課題と、その対策を事前に知っておくことで、問題発生時に迅速に対応できます。
オペレーターの離職率が高い
- 原因: 精神的なストレス、評価制度への不満、キャリアパスの欠如などが挙げられます。
- 対策: 定期的な1on1ミーティングによるケア、公平な評価制度の導入、スキルアップ研修の実施、SVへのキャリアパス提示などが有効です。
応対品質にばらつきが出る
- 原因: マニュアルや研修の不備、オペレーター個々のスキルや経験の差、モニタリング不足などが考えられます。
- 対策: マニュアルの定期的な更新、ロールプレイングを交えた研修の実施、モニタリングとフィードバックの徹底により、品質の平準化を図ります。
問い合わせが想定より多くパンクしてしまう(あふれ呼)
- 原因: 事前の呼量予測の甘さ、突発的なトラブルやキャンペーンによる問い合わせ急増、人員不足などが原因です。
- 対策: IVR(自動音声応答)による用件振り分けで一次対応を自動化したり、チャットボットなど別のチャネルへ誘導したりする方法があります。また、繁閑に合わせて柔軟にシフトを調整できる体制も重要です。
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便利な顧客管理機能(CRM)付き
アイブリーの顧客管理機能(CRM)は、顧客の電話番号と氏名・住所・性別などの個人情報を管理できるほか、電話による問い合わせ履歴なども紐づけて管理できます。
通話しながらメモを残すこともできるので、ひとりひとりの顧客に寄り添ったきめ細かい対応が実現できます。
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